第18章 今私が伝えられる事
−あくあside−
『………。』
黒板掃除を終えた後、
私が向かうは1年B組
ヒーロー科のもう一つのクラスだ。
本当はあんまり行きたくないんだけど…
もしかしたら、彼が、
あの時私を保健室まで運んでくれた彼が
このクラスにいるかもしれない。
もし本当に雄英にいるのなら
ちゃんと伝えないと。
運んでくれたお礼と、それと───…
「あれ、どうしたの?たしかA組の子だよね!」
「あ、俺知ってるぜ!確か海波あくあちゃんだよな?!」
私がB組の教室の扉の前で立っていると
教室の中にいたポニーテールの女の子と
銀色の髪の男の子に話しかけられた。
『私の事知ってるの…?!』
「うん!A組にめちゃくちゃ可愛い子が居るって噂になってたんだよ〜」
USJでの出来事がB組にも知られているのかと
一瞬不安になったけど
そうじゃなかったみたいで少し安心した。
「それでーさっきからずっとそこにいるけどどうしたの??」
『えっと…そのー…このクラスに、物間寧人って人いる…??』
「「「物間?!」」」
私が彼の名前を出すと何故か
目の前の2人だけでなく近くにいた
B組の生徒も大きな声で驚いていた
「物間!A組の子が呼んでるよ!!」
「お前この可愛い子と知り合いなのか…?!」
いる…いるんだ、このクラスに。
どうしよう、なんか会うの怖くなって来た
やっぱりやめようかな
なんて事考える隙もなく、
彼は私の前に現れた。
「ええー?A組の生徒が僕に用って一体誰─…
………あくあ?」