第18章 今私が伝えられる事
−あくあside−
「おい、テメェ何してやがんだ」
「あくあ嫌がってるだろ」
逃げ場もなくどうしようと悩んでいた時
勝己くんと焦凍くんが
寧人の腕を掴んで私から離れさせた。
「……部外者は黙っててくれない?」
「は?テメ…ふざけんじゃ───…」
「だってそうだろ?君達は僕とあくあの事情なんか知らない。つまり部外者だ」
「事情を知ろうが知らなかろうがあくあが嫌がる事はさせねぇ」
さっきよりも格段に重い空気が流れ始める
その空気を察知してか
周りに人も増えてきた
…これ以上ここで話すわけにはいかない
「ちょ、爆豪と轟落ち着けって!」
「物間も一回落ち着いて!」
A組生徒とB組生徒が呼びかける
が空気は変わらず重いまま
『待って!寧人は悪くないの、こうなってるのは全部私のせいで…』
何も知らない周りの人から見れば
寧人が悪いように見えるけど
この状況になっていた原因は私にあるわけで…
「あくあ、僕はちゃんと話がしたい。場所を変えよう」
『………分かった。』
私達の事情に他の人を
巻き込む訳にはいかない。
かといって
このまま1人で走り去る訳にもいかない
私は静かに頷いた。