第17章 この感情は、厄介だ
−爆豪side−
『お?いつもの勝己くん復活?』
「てめェのせいでな」
『えっ私の“せい”って、そこは私の“おかげ”って言って欲しいんだけどー!』
なんだか気持ちが軽くなった俺は
保健室のベットに座るあくあの横に
腰を下ろした。
あくあの方が大変だったはずなのに
その本人に慰められるとか
かっこわり…
でも何故かあくあの前では
簡単に本音を言えてしまう
(厄介だな…この感情は)
「あくあ」
『……』
「おい、あくあ?」
『………え?あっごめん何か言った??』
あくあの顔を見ると
まだ少し眠そうな顔をしていた
眠いならそう言えや
無理して起きてる必要はないだろ
「……眠いならまだ寝てろ。ここにいてやっから」
そう言うとあくあの頭に触れて自分の肩に
よっかかるような形になるように引き寄せた
『えっ?!いや、でも─』
「いいから寝とけ!また急に倒れられても困んだよ」
『う、それは、そう…だけ、ど… ──』
どうやら眠気には逆らえなかったみたいで
あくあは静かに目を閉じた。
横を向くとあくあの綺麗な髪が視界に
入ってきて俺はそっとあくあの髪を撫でる
(……綺麗な色…
どうやったらこんなサラサラになるんだ?)
あくあの長く黄色い髪は細く
それでいてサラサラで、
そんな髪と髪の僅かな隙間から
あくあの顔が見える。