• テキストサイズ

【ヒロアカ】泡沫少女の歌声はどこまでも

第15章 暖かくて、懐かしい。


-轟side-

「あくあ…」


どうすればあくあを止めてやれるだろう。


俺ならあくあを止められるかもなんて
大口叩いておきながら
実際はそう上手くはいかなかった



悩んでいるうちにも
一瞬弱まったかと思ったあくあの個性は
また威力を増し始めている。



(前はすぐにおさまったのにな…)



『お願いだから離れて!!もう誰も怪我させたくないの…!』

「離れたとして、じゃあお前はどうするんだよ!個性を制御できねぇんじゃねえのか?」

『それは……』



“ もう誰も怪我させたくない”

そう叫んだあくあの
辛そうな表情を見たのは
やっぱりこれが初めてではなかった



雄英高校に入学して、
保健室であくあと出会って、
話していくうちに
あくあの瞳はいつもまっすぐ
どこかを見つめているような気がしていた。


ずっと一点を見ているとか
そういうのじゃなくて、
なにか強い意志を持っているような

そんな目だった。



でも今のあくあの瞳は、
まっすぐどこかを見つめているわけでもなく
震えているかのように揺れて見える


その水色の綺麗な瞳は、
まるで、荒れた海が波打っているみたいで
あくあが発する言葉とは裏腹に


“ たすけてほしい”


俺にはそう言っているように見えた





「…そんな顔してるお前を放っておけるわけねぇだろ」




あくあの意識を

個性から離れさせるには…




/ 241ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp