第15章 暖かくて、懐かしい。
−轟side−
「…じゃあどうすりゃいいんだよ!!」
「爆豪落ち着けって!」
「あくあの姿さえ見えれば俺が個性を消せる。だからまずは…この渦を止めないといけない。」
「渦を、止める…」
「方法は何でもいいから何とかしてあくあの気を紛らわせる事をするんだ。あくあの意識が個性に集中したままだと暴走はおさまらない」
それからその場にいた者達は
一斉に水の渦に向かって
個性やらなんやら使い攻撃を始めた
あくあの気を紛らわすと言っても
具体的にどうすればいいのか分からないため
とにかく攻撃してみる事しか出来ないのだ
(あくあ……)
渦の勢いでUSJ内の建物が
次々と崩れていくのが見える
そして目の前の渦から龍が飛び出してきた
いや、正確には龍の形をした、水?
凍らせようと右手をかざすも
そいつは何故か凍らすことが出来なくて
俺は正面から衝突してしまい
身を後ろに投げ出される。
「轟!!」
「…こいつ、個性が効いてねぇ」
「個性が、効かない?!」
俺は凍らせようと
右の半冷の個性を使ったはずだ
なのにその龍は何事もなかったかのように
真っ直ぐぶつかってきた
「うわっ、本当だこいつ全く個性効かねぇ…!!」
どうやら個性が効かないのは
俺だけじゃないらしい
A組総出で攻撃するも
全くと言っていい程効いていない。
龍の口からものすごい勢いの水が
噴射されてその攻撃をくらった俺達は
後ろの壁まで投げ飛ばされる。
「…気を紛らわすなんて難しすぎるよ!」
「一体どうすれば……」
その場にいる雄英教師のプロヒーロー達も
総出で攻撃しているが一向に収まる気配がない
プロでも難しいこの状況を
どう解決しろというのだって話だ
「まずいぞ、このままじゃUSJの外にまで被害が出てしまう!!」
「それじゃあまるであの時と…」
後ろから雄英教師達の会話が聞こえてくる