第14章 10年越しの歌声
−轟side−
ヴィランとの戦いは幕を閉じ、
俺と爆豪と切島はクラスメイト達の
待つ入り口付近に向かっていた
ワープゲートで飛ばされた時、
あくあがヴィランに
抱えられているのが見えて正直焦った
途中で合流した爆豪から
あくあの無事は聞いていたが、
それでもやっぱり心配だ。
あのヴィランはあくあの名前を呼んだ
あくあに用があると言った
一体何者なんだ?
_______ _ ___ ___ _ ____♪
すると突然どこからともなく綺麗な
歌声がUSJの建物内に響き渡ってきた
さっきまでの殺伐とした雰囲気とは
打って変わって、
穏やかな空気が漂い始める。
『この歌……』
この歌、聞いたことがある
懐かしい歌声だ
心の中に直接語りかけてくるみたいな
全身があったまるような、そんな歌。
俺は、そんな歌を知っている
昔、何年も前に、
この歌を聴いた。
そうだ、あの時、
あの時俺が見たのは、
サラサラの黄色い髪と、
透き通った水色の目
やっぱりそうだ
声の主が誰かなんて
見なくたって分かる
これは紛れもなく、あくあの歌声。
10年前に聞いた、
あの時と同じ歌。