第14章 10年越しの歌声
え、え…?
消くん…?
何度見ても、
どう見ても、
そこに担がれているのは消くんだった
私の事を幼い頃からずっと
支え続けてくれた、
大切な人。
『消くんっ!!!!』
私は気づいたら
消くんの元へ走り出していた
周りのクラスメイトに
みられている事なんて忘れて
一心不乱に話しかける
でも、一向に返答がない
『消くん、大丈夫?!消くんてば…!!』
この怪我、完治しないんじゃ…?
消くんの個性は目を使うのに、
目をやられてる、
出血もすごい、
病院に運ばれてからの治療で
間に合うの?
嫌だ、嫌だ
嫌だ
もう何も、失いたくないよ
大切な人を、
もう私から奪わないで…。
その時、
「1ーAクラス委員長飯田天哉!!ただいま戻りました!!!」
後ろの入り口の扉が開き、
飯田くんと
雄英に勤めるプロヒーロー達が駆けつけた