• テキストサイズ

【ヒロアカ】泡沫少女の歌声はどこまでも

第13章 あなたは…誰…?





『ん…んーーーっ!…はぁ…ちょっと、何…?!』


人気のない端の方で立ち止まり
押さえられていた口がやっと解放されると


黙ってそのまま体を
岩の壁に強く押し付けられる



『…っ!?』



目の前にいるヴィランの男の体を
押して逃げようとするも、

私の頭の横をナイフが掠める


ナイフを壁に突き刺したのだ。



青く深い色の瞳が
逃がさないと言わんばかりに
私を見たまま微動だにしない。




やばい…逃げなきゃ…


この状況で個性を
隠すなんて言っていられない、


今すぐにでもどうにかして逃げないと…





怖い





怖い、嫌だ、逃げなきゃ、







そう思うのに、個性が発動しない




個性を隠すとか
そんなこと言っていられる状況じゃないのに








何故かこの目の前のヴィランに向けて





個性を使えない…








「なんなんだよお前…」


『その言葉そっくりそのまま返したいんだけど…。ていうか貴方誰なの…?何で私の名前知ってるの?目的は何?』


「…うるさい黙れ。俺の名前は…零(れい)だ」



零と名乗ったその男は私が逃げないように
強引にここまで連れてきた挙句
頭の横にナイフを突き刺してきて、

どう考えても私を殺すチャンスなのに
私を傷つけようとはしてこない


つまり、目的は
私を殺すことじゃないってことだ




/ 241ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp