第2章 塞翁が馬
「んな暴れんじゃねえ!」
パンッ、と乾いた音と共に左頬に痛みが走る。叩かれたのだ、と脳が認識した頃にはびりびりとワンピースを首元からお腹まで破られた。
「はっ、想像通り結構いい躯してんじゃねえか。」
下着姿を見られ、羞恥心で顔に熱が集まる。恐怖で涙がこぼれ、冷や汗が体中から吹き出るのを感じた。体も小刻みに震えているのが分かる。恐い、こんなの嫌だ。誰か助けて。脳内で助けを求めるも、状況はもちろん変わらない。男は容赦なく荒い手つきで胸と腹を揉む。後ろにいた男も、私が恐怖で動けないのを良い事に、お尻を触り始めた。望まない他人の熱が気持ち悪かった。
これは罰なのだろうか。欲深く、求めてはいけないものを欲した罰なのだろうか。銀時さんに想い人がいたにも関わらず、彼に振り向いて欲しかった事が私の罪なのだろうか。乱暴に触られ、痛みしか感じない絶望の中、そう思った。
局部に不良達の手が伸ばされるのを感じて、私は諦めを胸に目を堅くつぶる。