第3章 塞翁が馬 〜銀時篇〜
もしかして、二人で過ごした記憶が殆ど無くとも、お前は俺が好きなのだろうか。
「好きだ。俺は、お前が好きなんだ。今も昔も変わらずな。」
気付ば自然と告白は口から滑り出ていた。その言葉を聞いた娘の反応も、昔と変わらず、愛らしいものだった。
「お、良いねぇその初々しい反応。相変わらず照れやすいのな。」
彼女からの返事がなくとも、真っ赤に染まった彼女の反応でわかる。彼女も銀時を好いているのだ。嬉しさのあまり顔がニヤける。銀時はそんな顔を誤摩化すように、そしてもう一つ愛情表現をする為に、彼女の額へと口づけを落とした。
今生でも、共に幸せになれる事を願って。