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戦国怪奇譚〜弐〜
第1章 夢の淵
ギュッと母に抱きつく
看護師の人は耐えきれないと
言った表情で部屋を後にした
父の顔もよく見たら
泣きそうな顔をしていた
(この頃は幼すぎて
わかってなかった
私はただ言われたことだけ
信じてた)
母の苦しみと葛藤を
父の裏切りと嘘を
私は何も知らずに
ギュッと拳を握った
『嘘つき……』
そう零すと
視界は霧がかっていく
何もかも覆い隠すように
(夢だったら良かったのに)
ただの夢なら思い出すことは
なかったのに
これは虚しくも私の過去で記憶なのだ
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