第4章 堺
「いいんじゃないか
堺には結構滞在するし時間はある
俺より松寿丸の方が堺には詳しいだろうしな」
『…うん、秀吉さん達は?』
「もちろんお前について行くぞ
護衛だからな」
『そ、そっか』
ほっと胸をなでおろした
(とりあえずこの部屋から
離れることはできるし
二人もいるなら大丈夫だよね)
『それじゃあ、
案内お願いします
………松寿丸さん』
「ええ」
(この人の正体を知ってるのは
私だけ……)
そっとチョーカーに触れると
ぐっと拳を握った
(大丈夫
正体を知ってるのに私を殺さないのは
まだ使い道があるから
それにもしもの時は夜桜と秘密道具
(佐助手作りの忍者道具)もある!)
*☼*―――――*☼*―――――
「ここの港は
堺で1番盛んなところですよ
南蛮人も沢山いるでしょう?」
(案外普通に案内してくれてる……)
「あぁ、久しぶりに見たな」
『会ったことあるの?』
「信長様は南蛮の知識も取り入れようと
なさっているからな
たまに安土城に招くことがあるんだ」
『そうなんだ』
(わ……大きな船)
港風に吹かれると
大きな貿易船に目を留める
「船に興味がおありですか?」
『ふぇ!?
あ、大きな船だなぁ…と』
「よろしければお乗りになってみますか?」