第4章 堺
「あ?
決まってんだろ
信長を殺す、そして世界を
戦の耐えねぇ混沌の世にする」
『そんなことして
何が貴方の益になるの!?』
「益?
そりゃあるさ
幼い頃からの野望が叶うんだからな」
『野望──?
戦だらけの世の中になることが?』
じっと元就を見つめると
コンコン
「誰だ?」
「豊臣秀吉と石田三成が
依頼主を呼んでいます」
「ちっ
思ったより早かったな」
『…え?
依頼主と情報提供者って
──まさか』
「相変わらず感がいいな
──そうだ
いきゃわかんだろ
ほら来い、奴隷」
『きゃっ、ちょっと!
引っ張らないでくださいっ!』
ぐいっと引っ張り
扉を出ると先程のおじいさんがいた
(この人仲間だったんだ……)
なぜ違和感に気づかなかったのか
依頼主と情報提供者が同じところにいる
できすぎていると──…
(悔しい……
ぜったい阻止してやる!)
ガラッ
「申し訳ありません
お待たせしました」
(誰!?)
さっきとは180度違う話口調に
目を瞬かせていると
「あぁ、松寿丸
あれ?、ついてきたのか?」
『え、ええと…』
「依頼主様の体調が悪化しまして
内容だけ承ってこちらに来たんですよ」
『あ、はい
そう、なんです』
嘘をつくのが心苦しくて
目を逸らしながら答えた