第4章 堺
(ここはとりあえず
言うことを聞いて
隙を見て話さなきゃ………!)
座布団の上に座ると
「様、
首のそれはなんです?」
「そういやそんなのつけてたか?」
『あ、ええと…これは』
ちらりと元就を見ると
「依頼主が美しい姫君に送ったものでして
南蛮の飾りなんですよ」
「そうか、お礼はちゃんと言ったのか?」
『うん、』
(よくスラスラと嘘がはけるなぁ)
口先だけでいえば
光秀に匹敵するかもしれない
「さて、ここからが本題ですが…
毛利元就は拠点を転々と移動し
武器や兵を集めているのだとか」
「やはり戦を企てているのですね
今の居場所は掴めているのでしょうか」
「最近、堺にいるという噂はありましたが
本当がどうか──…」
(え!?
そんなに喋っていいの?
ていうかなんで自分が不利になるような事
わざと言いふらすの?)
元就を見ていても
その真意は掴めそうにない
「堺か…
ちょうどいい
噂が本当かどうか確かめる価値は
ありそうだ
松寿丸、恩に着る」
「いえ、これも信長様のためですので」
「元就の追跡は部下にさせて…
どうでしょう安土の姫君
私が堺をご案内しましょうか?」
『えっ』
(この人ほんとに何考えてるの?)
私を外に出したいのか
それとももっとなにか理由があるのか──
探るように見ていると