第4章 堺
「おはようございます
様
──顔色がお悪いですよ
大丈夫ですか?」
『あ、三成くん
おはよう
なんでもないよ
ちょっと寝不足で…』
「また遅くまで仕事してたのか?
あれほど無理はするなって言ったのに
出立は今日だが
明日にするか?」
『ううん!平気!』
(私の都合で
皆さんに迷惑かける訳にはいかない)
辛くなったら言えよと言われ
頭を撫でられる
いつも通りの二人に少しだけ
ほっとした
(こんなに早く佐助くんに会いたくなるなんて
でも頼ってばかりじゃダメだ)
ふと空を見上げる
(──生きる意味、
少しだけ見つけられた)
未来を守る
そして大切な人を守る
ここで出会った人達を
誰一人失いたくない
わがままかもしれない
戦国の世で難しいことだってわかってる
でも願わずにはいられない
譲るわけにはいかない
(きっと歴史を揺るがそうと
してる人がいるんだ)
必ず見つけて阻止しなくては
「ー!
そろそろ行くぞ」
『!はーい!』
固く決心した心で
堺に旅立った