第4章 堺
『堺……ですか?』
天守に呼び出されたは
脇息にもたれ掛かる信長を
見つめた
「そうだ
貴様の腕を買った商人がいてな
着物を仕立てて欲しいとの事だ」
『それなら
わざわざ行かなくても…』
「堺は貿易が盛んで
南蛮のものも沢山ある
好きなものでも買ってくるといい」
『そうなんですね!』
(つまり仕事のついでに
遊んで来いってことかな)
『分かりました
堺での仕事承りました』
「護衛は秀吉と三成をつける」
『え?
2人もですか?』
「何を言っている
他にもつけるつもりだが?」
『ええ!?
堺に行くだけなのに』
「貴様、もう忘れたのか
散々誘拐されておいてよく言う
俺もついて行きたいところだが
まだ仕事が片付いていない」
『そ、そうですか』
(それを言われると
何も言えない………)
二重誘拐された挙句
庇って死にかけたは
それ以上は何も言わずに
天守を出たのだった