第2章 目覚め
「本当ですよ
毎日押しかけられて大変でした
身体に障るからお見舞いは避けてくださいって
言ってるのに……」
「挙句の果てには
ここに泊まり込もうとしてたしな」
家康は思い出しながら溜息をつくと
政宗も続いて呆れ顔で語った
「でもそういう光秀様も
結構見舞いに来て花を置いてたよね
いたたたたっ」
「なんのことだかさっぱりだな」
蘭丸が光秀のことを語ると
余計なことを言うなと言わんばかりに
蘭丸の頬を細い指でつねった
(この大量の花はそういう事か……)
部屋を見渡すと色鮮やかな花々が
飾られていた
『ありがとうございます
光秀さん』
「……まぁお前にそう言われるのは
悪い気がしないな」
ぽんと頭を撫でる手は優しい
『ん?』
(なんかすごく外が騒がしい)
「噂をすればなんとやらか……」