第1章 任務
◇◇◇
「さぁ、そろそろ行きましょう……みなさん」
「はーい!」「はい!」
お土産の入った紙袋を四から五個ぶらさげて虎杖と明月、伊地知——の紙袋はひとつだ——の三人は商店街を出て、
再び坂道をくだりはじめた。
それにしても暑い日で、強い日ざしを受けながら三人は歩いて行く。
「明月さんってさ、何級呪術師なの?」
「私ですか? 私は準一級呪術師ですよ」
「そっかー。それなら強いんだよね?」
「あ、いえ、私は高専を出て呪術師として働き出してから一年も経ってないのでまだぺーぺーなんです」
「え、そうなの? 伊地知さん、今日の任務ってどんなやつと戦うの?」
「それは現地についてからまた説明しますが……
二級、三級クラスの呪霊が十数匹といったところです」
「そっか、それなら二人で楽勝だな〜!」
「とはいえ、虎杖君はまだ練習要員として見なされているので
実質勝率は7割前後といったところでしょうか……」
「俺、まだ数に入れられてないんだ……」
「虎杖君は特例ですからね。ですので、
本来なら七海さんが今日の任務に当たる予定だったのですが……」
「ナナミンも忙しいんだな〜」
「まぁ、七海さんに限らずどこも人手不足ですから」