第1章 任務
挨拶が済んだところで、三人で駅前を通り過ぎ、商店街の中の道をくだって行く。
商店街には温泉まんじゅうや地魚の料理屋など魅力的な観光商品がたくさんで、
明月は購買意欲がくすぐられた。
「おばちゃん! 温泉まんじゅうください! 三箱!
あ、五条先生の分忘れてた! 四箱お願いね!」
元気はつらつとした声に明月は振り向いた。
すでに虎杖悠仁が釣り銭をお店のおばさんから受け取っているところだった。
(なんて自由奔放……学生っていいなあ)
なんて思っていると、
「明月さんも買おうよ! 試食したら、ここのまんじゅうめっちゃ美味かったぜ!」
「え! そうなんですか? それなら先輩分とで二箱買おうかな。あ、あと干物も欲しいな〜」
と、俄然、乗り気になり買い物をし始めた明月。
「あ、このマカロンの和菓子も美味しそう〜これも自分用のご褒美にかっちゃおう」
「明月先輩! こっちに揚げ蒲鉾の店があるぜ、行こうよ!」
「わっ、いいな、いこういこ『ちょっと待ってください!! お二人とも。そろそろ現場の下見に行かないと』
「堅いなー伊地知さん、大丈夫! ほらちょっとだけ! 伊地知さんも行こうよ」
虎杖はそう言って伊地知の背中を押して強引に店に入っていった。