第1章 任務
呪いは相手が三人に増えてたことで、
キョロキョロと上から三人を見比べて、誰と戦うべきか見定めているようだった。
「7:3」
七海が言う。
——術式の開示。それは、
呪術師が自ら自分の能力を相手にさらすことで
呪力や術式の効果をアップさせることだ——
「私の術式は、対象を線分した時、この比率の点を、強制的に弱点とするものです」
「おお゛お゛お゛お゛お゛お゛」
言っている途中で、呪いは七海の方に向けて雄叫びをあげ、乱暴に腕を振るった。
七海はヒュンヒュンと器用に大きな鉈を回しながら避けて続ける。
「弱点を狙うことで、私より格上の者にもそれなりにダメージを与えることができますし、
呪力の弱い者であればこのナマクラでも両断できます」
言い終えたあと、七海は上方高くに飛び、呪いに対して鉈を振り下ろした。
7:3。
呪力を吸って大きくなっていた呪いの身体は
クリティカルヒットして分断された。
そして断末魔とともに消えていってしまった。