第1章 任務
「七海さん、どうして」
見上げた明月に七海は答えた。
「別件が予定していたよりも早く片付いたので、こちらを加勢しにきました。
まあ、もともと私も加わる予定だったので。
それにしても……明月さんにはまた無理をさせてしまいましたね」
そう言って七海は明月からするりと腕を離し、呪いの方に歩いて行く。
「虎杖君、遅れてすみません。大丈夫ですか?」
七海の問いかけに壁に激突して寝そべった状態の虎杖が
ひらひらと手を振って応える。
「おせーよナナミン。でも来てくれたから許す。俺は平気だ——」
「意識はあるようですね、よろしい」