●○青イ鳥ノツヅリ箱○●【イケシリ短編集】(R18)
第2章 Madness-狂愛-〈イケ戦/帰蝶/光秀/3P〉
「見え透いたことを言う…」
溜息の次には、帰蝶の手が満留の髪を撫で、頬へと落ちた。
その手はまるで満留をあやす様に優しく、頬を包み込む手は温かい。
「この男の安い挑発だ。いちいち乗ってやることはない」
「帰蝶さん…っ私っ…」
「わかっている…俺に抱かれて、蕩け愛しさに満ちたその瞳は雄弁だ…その瞳のまま、俺を見ていればいい」
帰蝶の声音の一つ一つが、満留の恐れを鎮めていった。
―――続く言葉を、聞くまでは。