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刀剣相愛譚 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第6章 出会ってしまったひとりと一振り 〔肥前忠広〕


そして男士たちは演練の転送位置へ移動し、それぞれの審神者は決められたブースに入った。

そのブースの椅子に座るとこんのすけが教える。

「この中では審神者様は刀剣男士の戦いぶりを見るだけです。指示が出来ないようになっているのです」

「え、そうなの?」

てっきり指示が出来ると思っていた審神者は、こんのすけを見て目を丸くする。

「だって本当に時間遡行軍と戦う時に指示は出せませんよ?あの中で指示が出せるのは隊長である歌仙兼定です」

こんのすけの言葉に審神者は改めて気付く。

みんなで考えた作戦とは言え、ひとつ間違えると刀剣男士たちが折れてしまうかもしれない、本来はそういう状況であること。

いくら練習とは言え本気で考えなくてはならないのだ、と。

審神者は目の前の複数のパネルを見て、それからこんのすけを見る。

「わかった。たかが演練、でも本気でやらないとみんなが危なくなるんだね」

「おわかりいただけて良かったです」

こんのすけはにこりと表情を和らげ、そして言った。

「さぁ、始まりますよ」



ブザーが鳴り対戦開始となった。



錬度の差や能力はいくら初心者本丸同士とはいえ明らかで、どれだけ歌仙たちががんばっても相手の男士たちには歯が立たず、残念ながら敗退で終わった。
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