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刀剣相愛譚 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第6章 出会ってしまったひとりと一振り 〔肥前忠広〕


「璃杏さんの手が堂々と握れるのはこういう時くらいだからね」

「おおう、そういう答えが来たか」

大袈裟に驚いてみせる審神者に鯰尾や乱があはは、と笑う。

「今の人に初心者本丸って言われたんだ。つまり本丸にもレベルがあるってことだよね?」

歩きながら審神者はこんのすけに尋ねる。

「勿論です。上級者の本丸になると刀剣男士も多く、大所帯で毎日にぎやかだそうですよ」

こんのすけは他の管狐から聞いた情報を伝える。

「なかなか顕現しない男士も大勢いると聞きます」

そう言ってから、そうだ、とこんのすけは付け加える。

「先程の受付していたのも刀剣男士ですよ」

聞いて審神者は「えぇ!?」と驚き、目を丸くしてこんのすけを見る。

「政府所属の山姥切長義と言いまして、ある任務を終えないと本丸にはやって来ないのですが…こちらの本丸にはまだその任務は難しいので、彼がやってくるのはもう少し時間がかかりますが…」

「任務?」

こんのすけの言葉に乱が聞く。

「はい。長期遠征のひとつです。一部隊を政府からの要請で決まった年代に送り込み、そこで依頼された任務を終わらせられるかどうか、というものです」

「長期遠征…」

鯰尾もどういうことかわからないと言わんばかりにつぶやく。
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