第6章 出会ってしまったひとりと一振り 〔肥前忠広〕
受付には美しいと言ったら怒られそうな銀髪の青年が座っており、てきぱきと次から次へとやってくる審神者へ対応をしていた。
「次、本丸の番号を」
呼ばれた審神者はきびきびとした青年の対応に一瞬戸惑い固まるが、先程こんのすけから言われた本丸の番号を伝える。
「91番です」
青年はちらりと審神者を見ると目の前の端末らしい画面に番号を入力したらしく、即答えた。
「初心者本丸か。今日は先に登録している六振りで間違いないか?」
「はい、変更ありません」
「ではこの右側一番奥の紅葉の間で待機するように」
続けて青年は言う。
「紅葉の間にて対戦順番が確認出来るので、順番のひとつ前になったら紅葉の間を出て、その隣の紅葉の対戦室へ移動するように」
一気に流れるように説明すると、「次」と後ろに並んでいた審神者を呼んだため、審神者はすぐさま青年の前をどかなくてはならなかった。
「ええと、こっちの一番奥の紅葉の間で待機だって」
「そう。じゃあ、行こうか」
鯰尾が最初からの騎士振りをみせて、審神者の手をとり、転ばないように隣に立ってくれる。
「ずおくん、ありがとう」
その言葉に鯰尾は笑顔を見せる。