第6章 出会ってしまったひとりと一振り 〔肥前忠広〕
はっきりと言い切るこんのすけに素直に審神者は頷いた。
「うん、勿論だよ。刀剣男士だって心を持っているんだし、歴史のために戦ってくれているんだもん。それになんたって神様だもんね、どの刀も大切にするよ」
審神者が微笑むのを見てこんのすけはほっとして思う。
この審神者が審神者の本丸は、顕現する刀剣男士たちはきちんと管理され、本丸も適切に運営されるだろう。
そう思い、その本丸に派遣されたことを自分は誇りに思えるように、本丸運営を手伝おうと改めて誓った。
「ところで、うちのこんのすけも璃杏さんと同じように新人なの?」
こんのすけの口ぶりに乱が小首を傾げると、こんのすけは考えていた気持ちを戻してそうです、と頷いた。
「そうなのです、私も新人…新管狐と申しましょうか、こちらが初めて配属された本丸です」
「そうなんだ、管狐も新人って当然だけどいるんだね」
へぇ、と乱は面白そうなものを見る表情でこんのすけを見つめた。
そうこう話すうちに演練会場へ到着する。
一見普通の洋館のような建物だが、濃い結界に覆われているのは審神者でも気付く。
「これは…普通に来たらわからないね…」
「勿論ですよ、審神者様。普通のかたにはわからないようにしています。さ、こちらで受付します」
こんのすけが誘導しつつ皆でぞろぞろと洋館に入り、受付と書かれた場所へ移動する。