第6章 変わった出陣2 〔山姥切国広/山姥切長義〕
俺達や時間遡行軍がこつぜんと消えたあの会場が騒ぎになったことは、むろん俺達は勿論知らない。
「ああ、きみたちもあそこへ行ったんだ」
燭台切が笑いながらお茶を俺達に出して言う。
「あぁ、前に言っていた、こみけとやらか」
三日月がお茶をすすりながら言い、鶴丸が隣の大倶利伽羅の肩を抱く。
「驚きで楽しそうなところだな。俺も出陣したい、なぁ伽羅坊」
「…慣れあうつもりはない」
ぷい、と大倶利伽羅はそっぽを向く。
「あそこはなかなか驚くよね」
燭台切が困ったような表情で茶菓子のずんだ餅を出してくると、偽物くんは先に俺にずんだ餅を回してきた。
「何なんだ、あの場所は?驚くというより、何故俺達や時間遡行軍を知っているのか理由を知りたい」
俺は言ってからずんだ餅を口に運ぶ。
燭台切の作るずんだ餅は美味で、俺は思わず「美味いな」と口に出すと燭台切は満面の笑みを浮かべる。
「ありがとう。そう言ってもらうのが一番嬉しいよ」