第6章 変わった出陣2 〔山姥切国広/山姥切長義〕
これも任務…なんだろうな?
しばらくその状態が続いたところで別なところから歓声が沸く。
「見て!時間遡行軍のコスプレ!」
「すごい、あっちもそっくり」
「短刀がちゃんと空飛んでる」
「すごいドローンで飛ばしているのかな」
何を言っているか意味がわからないが、時間遡行軍の名前に俺達はそちらを見る。
しかし人間達は何故時間遡行軍の名前を知っているんだろうか。
ここも放棄された世界なのか?
人ごみの合間からようやく姿が見えた時間遡行軍らも、何故か人間達に囲まれて写真を撮られ、あきらかに困惑しているのがわかる。
そしてやつらは俺達に気付くと、『助けて』と言わんばかりにこちらをすがるように見る。
何故俺達が時間遡行軍を助けなければならないのか。
俺はようやく偽物くんに言う。
「いったいここは何だ。何故人間達は俺達どころか時間遡行軍の事まで知っている?」
「…以前出陣した長谷部と燭台切に聞いた。ここは『こみけ』とかいう場所で、この人間達は俺達がこういうコスチュームプレイをしていると思っているらしい」
「こみけ…?こす…ぷれい…?」
「長谷部と燭台切も俺達と同じように人間達に囲まれ、時間遡行軍も全く同様に囲まれたと言っていた。俺達は人間が俺達の姿を模倣していると思っているんだ」