第5章 待ち遠しく。 〔山姥切国広/R18〕
その言葉に俺は正面の主を見るものの、目のやり場にやはり困ってなるべく顔だけを見るようにする。
その主の顔は今にも泣きそうで俺はとうとう折れた。
「嫌い…じゃない…あんたを小さい時から見ているから…大きくなったな、と思って…」
俺は一歩前へ踏み出して主と距離を詰めると、そのまま両手を伸ばし主を抱き締めた。
「その…俺が…最初の相手で…良いんだな…」
「…うん…まんばくんが、いい…」
布を通して柔らかな裸体や膨らみが俺を刺激する。
俺は少しちゅうしょしたものの主のあごに手をかけて上向かせた。
期待と戸惑いが交差した視線が俺を見つめてきて、俺はその目の中に写る自分を見ながら主の唇へ自分の唇を押しつけて、そしてすぐ離した。
瞬時の事で主は何が起きたのかと目を丸くしているので、俺は今より少し長い時間もう一度唇を押しつけ、そして離してまた押しつけて、を何度も繰り返した。
主の両手が俺の背中へ回ったのをきっかけに、俺は舌で主の唇をこじあけ舌を口内に進めると主がびくりとからだを硬直させるのがわかった。
それでも俺は主のからだを抑え込むように抱き締めながら、口内をゆっくりと舌先で舐め上げていくと硬直した主のちからはだんだんと抜けていくのがわかった。
かくんと足から崩れ落ちそうになった主を支え、ゆっくりと布団に横たえる。
「…怖いか?」
初めてなら怖いだろう、いくら主から望まれたとはいっても無理にするつもりはない。
怖いなら今日は止めていいのだ、そういう含みを込めて聞いてみる。