第4章 好き、だから。 〔燭台切光忠/R18〕
「いえ、無理じゃないです。えっと…燭台切さんと…したい、です…」
はっきりした答えが返って、燭台切は触れられた腕と反対側の手で、自分に触れている審神者の手の上に自分のその手を重ねた。
「…ありがとう。着替えたら部屋に行かせてもらうけれど…」
「…はい、待ってます」
燭台切に頭を下げると厨を出て審神者は部屋に戻る。
この審神者は成人してから審神者になったので、異性の付き合いは全く無い訳では無かった。
それは処女ではないということであるが、審神者となって本丸に来てから刀剣男士とそういう事になったことはなく、今回の燭台切が初めてとなる。
ヒトではない彼等との睦み合いはどういうものなのだろう。
部屋に戻り布団を敷いて、着替えて燭台切が来るのを待ちながら、自分はどう振る舞えば良いのかと審神者は内心うろたえる。
そんな中、静かに誰かが廊下を歩く音が聞こえ、審神者の部屋の前でその足音は止まり燭台切の静かな声が聞こえてきた。
「主、入っていいかな」
「…どうぞ…」
小さな声で答えると静かに障子が開き、寝巻きに着替えた燭台切が入ってきて障子を閉めた。
改めて見る燭台切の寝間き姿に、かっこいい刀は何を着てもかっこいい、と気付く。
あぁ、どうしよう、こんなかっこいい刀と今から恥ずかしいことをするのだ、と審神者は今更全身から火を吹きそうな程、恥ずかしさにからだを熱くする。