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【東リべ/中・短編集】愛に口付けを

第5章 梵天の華Ⅰ






「お待たせしましたぁ〜終わったよ♡」
「途中目が覚めて暴れたからビックリしたぁ」
「は?起きたのソイツ」



1時間弱経ち、嬢二人を両隣に連れて蘭が帰ってきた。

営業用の煌びやかなベビードール……でなくぶかぶかのロングTシャツ一枚を着ただけの女は、満更でも無さそうな顔の蘭に抱きかかえられている。

何であいつ、ンな大事そうに抱えてんだぁ?
まさか本当に風呂入ったンじゃねぇだろうな。

…つかそれより起きたッつったか今?
あの女が起きたのか?…生きてりゃ起きるか。



「あ、でも〜べろちゅーしておっぱいヨシヨシしてあげたら気絶しちゃって…おかげで全身くまなく綺麗にできましたよ♡」
「本業すげぇ〜さすがだな」
「蛍チャンの声めっちゃ可愛かった♡」
「ン゙ふッ兄ちゃんおもしれぇ」
「蘭オマエ風呂入ったんか」
「いやぁ?ずっと見てただけ」



見てたんかい、とは敢えて突っ込まずに「帰ンぞ〜」とダルい足取りで出口に向かい、嬢二人に札束をそれぞれ一つずつ渡せば、嬢とカウンター内にいた店主が深々と頭を下げる。



「お疲れ様ですッ」
「「またのお越しをお待ちしてまぁす!」」



返事をすることはなく、出口のすぐそば…店にくっつけるように停めてあった車に乗り込み、基地へ向かった。

ねみぃ。
そろそろクスリが切れそうだ。
襲撃する前にキメたやつが最後で、ストックはゼロ。



「オイ飛ばせぇ、10分で着かなかったらスクラップなオマエ」



運転席を斜め後ろから蹴れば、ゴクリと喉を鳴らした運転手は慌てて返事をしてスピードを上げた。















「ッはあああァァァこれだコレッ!!あぁ、あ゙あ゙ァ〜〜すッげ、部屋ン中イルミネーションみてぇ!!!んァ、見ろオマエら!こっから東京タ〇ー見えてんぞォッ!??」
「あ〜うるせッ。つか東京〇ワーじゃねぇしスカイ〇リーだっつの」



世界が回る。
キラキラと輝いて、宝石がそこら中に転がって、埋まってる。
踏まねーように気をつけねェとだよなァ?
気分がイイ…ドキドキしてワクワクしてきたァ…!!



「ヤク中まじキメェ」
「はぁ、はあ、最ッ高、ヤベぇよ、もういっこ飲んじゃお♡」
「三途うるせぇ」
「あぁマイキー!!!はぁぁオレの王!!!」
「…ボス、1回殺しとくかコイツ」
「…ほっとけ」


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