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【東リべ/中・短編集】愛に口付けを

第3章 甘えて、いい…?《佐野万次郎》●




鳥の声が聞こえてきて、ふと意識が浮上する。
大きく息を吸い込んでゆっくり瞼を開けば、窓の外から眩い光がさしこんできていて。

もう朝か…と思って近くの時計を見れば、なんとお昼の12時前。



「え!?ぁ、痛ったぁ…」



もうそんな時間!?と勢いよく起き上がれば、ズキッと悲鳴をあげる私の腰。
昨日の夜にシた回数を思い出しても、いつもとそんなに変わらないはずなのに…どうしてこんなに痛いんだろう?と首を傾げていると、私のお腹を撫でるように後ろから手が回ってきた。



「あ、万次郎…ごめん、起こしちゃった?」
「…ん〜ぅ…蛍…」
「ふふ、蛍だよ」



寝ぼけながら私の名前を呼ぶ万次郎に、目が覚めたなら起きるように促す。
私と同じようにゆっくり瞼を開けた万次郎を覗きこむ私の顔を見ると、嬉しそうに、窓の外の光が眩しそうに目を細めて微笑んだ。



「おはよ、蛍」
「おはよう、もうお昼だけど」
「んー…腰だいじょーぶ?」
「けっこう痛い……なんでかな?シたのいつもと同じくらいなのに…」
「そりゃあ、…蛍が気絶したあとも続けてたから」
「えッ!??」



そんなことしてたの!?とびっくりしてベッドから落ちそうになるも、万次郎に抱き寄せられてベッドの真ん中に倒れる。
痛いわけだ…と、ふとベッド脇のゴミ箱を見てみれば、確かに使用済みゴムの数が私の記憶より多い。



「蛍ってば寝ながら何回もイってたし。…オレもすっきりした」
「…も、しばらく禁止…」
「は?ンなことさせるか」
「えぇ〜…」



若いなぁ…。私より年上だからこんなこと言うのも変だけど。
体力がえげつないよ万次郎…



「喉乾いたろ。水持ってくっか」
「ん、いい…まだこのまま」
「スる?」
「シないっ!」



くるんと万次郎の方を向いて、万次郎の耳をいじりながら胸に顔を埋める。



「…もう、万次郎とこういうことできないかと思った」
「…オレがそうさせねーよ」
「ふふ、…本当にありがとう、万次郎」
「ん。…番号とメアド、登録しなおせよ?」
「もちろんっ」



腰に手を回して抱きしめてくれる万次郎の顔を見上げながら、そっとキスを交わす。
こんな幸せを手放そうとしていたなんて…信じられない。

もう、二度と離れないよ、万次郎。



END
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