第3章 甘えて、いい…?《佐野万次郎》●
「どうする?蛍」
「ゃ、まんじろ…っ」
「んー?」
「…ぅ…っ、〜あぅ、やだ、もっと、ほし…ッ、触って、ください…っ」
「あはっ、…敬語いいね。すっげぇクる」
ギシッ、とベッドのスプリングが鳴って、万次郎が足元に座った。
持ってきた小さな袋は枕元に置いて、「よいしょっ」と大して力を入れていないような声を発しながら私の擦り合わせていた足の間に無理やり入って、万次郎の膝に乗せるように私の腰を持ち上げた。
強制的に足を開かれたせいで、濡れてぐずぐずになった秘部が万次郎に丸見えになってしまって。
恥ずかしくて足を閉じようとするけど、万次郎が間にいるから閉じられない。
どうしていつもより視界がはっきりしてるんだろう?と思って、キョロキョロと目だけで部屋を見渡せば、電気が付いたままだと今更気づく。
「ま、まんじろ、あの、電気…っ」
「えー?今更だろ。いーじゃん、…蛍のぜんぶ見てぇし」
前のめりになって、私の唇に軽いキスを落とす。
囁くように言った「ぜんぶ」という言葉に、キュッと膣が収縮した。
万次郎には気づかれないと思っていたのに、ズボン越しに秘部に当たっている万次郎のソレが、私の動きを感じ取ってしまったらしくて…
「…なぁ蛍、もう欲しいの?」
「んッ、ぁ…ほし、い…」
「はは、なぁ見ろよ蛍、オレのズボンびしょ濡れ」
「ぅ、やぁっ、いじわるしないで…っ」
まるで、律動するようにグッと腰を押し付けたり、少し離れたりする万次郎。
いっこうに先へ進む気配がなくてもどかしくて、私を囲うようにベッドに付いている万次郎の腕に縋り付く。
少しだけ爪を立てて、「早く」という意を込めて万次郎の腰に足を絡めれば、ようやく…万次郎の手が、私の秘部に触れた。
「んぅッ、ぁ…っふ、ん〜っ」
「すっげ…蛍のナカめちゃくちゃ熱い…ッ」
一本だけ。
ぬち、と音をたてながら万次郎の指がゆっくり入ってきた瞬間、待っていたと言わんばかりに収縮を始めたから、達してしまったのかと思った。
まるで指に吸い付くように締め付ける私のナカを、万次郎は焦らすように、でも膣口を広げるように丁寧に指を動かしていく。
2週間ぶりでも痛みなんて全然なくて、むしろ、指一本だけでも気持ちよすぎて涙がこぼれた。