第8章 飛び級しますッ《場地圭介》
続いて、マイキーくんとエマちゃんの圭介さんとの関係を聞いて…びっくり仰天。
圭介さんも小学生のとき、道場の門下生だったそうで…マイキーくんの幼なじみらしい。
さらに、だ。
マイキーくんは私の友達、三ツ谷ルナのお兄様であるタカシくんとも旧友だそうで!
すごい繋がりだ。
え、これこそ運命じゃない?
ていうか私、圭介さんの汗が染み込んだ道場に6年間通ってたってこと?
…床に寝そべったことあるけど!?
え、運命以外に何とも言えないよねこれッ!??
「で、蛍は場地に惚れてて猛アタック中、ってわけね。へぇ…面白ぇ」
「そうなの!頑張ってるの!」
「蛍も一途だよね〜、相変わらず可愛い♡」
「エマちゃんの方が可愛いよ♡」
二人でえへえへ照れあっていると、マイキーくんが圭介さんの隣に移動して、二人だけで話し始めた。
耳をダンボにして、二人の会話を聞き取ろうとする。
幼なじみ同士の会話…聞かないという選択肢は存在しない!
しかも圭介さんが関与してるから、特にね!
「そう言やぁドラケンは?一緒じゃねーの」
「あ〜今日さぁ、子供の運動会だからシンイチローいなくて、ケンチン休日出勤してんの。臨時休業にしても良かったんだけど、ケンチンが出るって言ったらしくて」
「へぇ〜。女の尻に敷かれてるって噂されてたあの真一郎君が、今じゃ父親だもんなぁ…時代の変化ってすげぇ」
「張り切りすぎて朝玄関でコケてたけどな」
あはは!と笑って、バシバシと肩を叩きあっている二人…。
え…?
最高、二人とも仲良しすぎない?
圭介さんめちゃくちゃ笑顔…八重歯可愛い…!
ていうか真一郎くん…女の尻に敷かれてるって、そんな噂あったんだ?
…あー、でも何となくそんな感じする…かも。
「蛍さぁ」
「っえ、うん?」
「場地とどれくらいの仲になったの?」
「んー…この前はペヤング半分コしたし、圭介さんのパーカー借りたし…お店で私が来るの、待ってくれてるっぽいけど…」
「へぇ〜?けっこう順調じゃない?」
眠そうな赤ちゃんをあやしながら、近くのパイプ椅子に座って笑うエマちゃん。
私も隣に椅子を設置して、赤ちゃんの頭を撫でながら小声で話す。
…少し、エマちゃんに相談してみようかなぁ。