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【東リべ/中・短編集】愛に口付けを

第8章 飛び級しますッ《場地圭介》




「歳は?」
「え?えー、聞いてないからわかんない…でも、たぶん20代中間くらい」
「……あ、お兄ちゃん?今日のお弁当のおかず何?」



はい?
いきなり電話かけたと思ったら…話題はお弁当?
じゃあなんで圭介さんのこと聞いたの?ねぇルナなんで。圭介さんどこいった。



「ほうれん草の卵焼き?あたし大好きなやつ!」
「へぇ〜後で貰うね」
「えっちょ、…って要件はそれじゃなくてぇ!ばじけいすけ、って人さぁお兄ちゃんの知り合いにいなかった?」



ナ ン ダ ッ テ ?
お兄様のお知り合いっ!?
え、さらに近づけるチャンスじゃん!!



「その話詳しくッッ」
「あっちょっと蛍やめてよ、今あたしがお兄ちゃんと話してるのに!」
「お兄様ぁ!圭介さんのこと知ってるんですか!?お知り合いですか!??」



ルナからスマホをぶん盗って、公共の場であるにも関わらず大声で問いただす。
すると通話の向こうから笑い声が聞こえてきた。
あー久しぶりに聞いたお兄様の声めっちゃイケボ。



《ははっ、相変わらず元気だな蛍ちゃん。おはよ》
「おはようお兄様!ねぇねぇ圭介さんのこと知ってるの!?」
《お兄様やめれって…。あー、場地のことだろ?知ってる、っつーか旧友?幼なじみとまではいかねぇけど》
「ふぉおおッ」



頬を膨らませて、私からスマホを取り返そうとしているルナの手を握り、興奮のあまり鼻血が出そうになる。

旧友…つまり仲が良かった、つまりお友達!



「お兄様と同い年っ?」
《おー、25歳な。まああいつ留年したけど》
「留年!人とは違う生き方をする人なのね、素敵!」
《?え、なに、蛍ちゃん場地のこと知ってんの?》
「ペットショップでね、運命の出会いをしたのっ!!」
《は?》
「ごめんお兄ちゃんありがとう!切るね!」



プツ、と通話を切ったルナ。
興奮がおさまらず呆然とする私はもう、圭介さんに会いたくて会いたくて震えr…



「…今日も塾の帰りにね、圭介さんのとこに行くの。ルナも行く?」
「……蛍が落ち着いた頃に行く」
「…早く夏休みにならないかなぁ。まず土日が楽しみ」



土曜日の午前中に塾の宿題を速攻で終わらせて、清々しい気持ちで圭介さんに会いに行きたいなぁ。



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