第7章 あげるから、もらって《松野千冬》●
「ちふ、ゆぅ…っ」
「んー?なぁに」
痛みを感じないように気をつけながら、ナカに入っている指をぐちゅぐちゅと動かし、その手の親指で溢れている愛液をすくい取って塗りつけるように突起を擦る。
切なそうな声でオレを呼ぶ蛍。
いつもとは全然違う声色に、体の中心に向かって熱がさらにこもる。
正直、もう限界が近い。
蛍の乱れ善がる姿に、今すぐオレの全てで壊してしまいたくなる。
「なんか、んぅ、ァ、なん、か…っ」
「ん?」
「な、んか、くる…変なの…ッ」
「へぇ…どんな?」
腰が震え、ナカがキツくなってきたことで気づいてはいた。
でも、蛍が気づくまで…と思って放っていたのだ。
だから、ようやく言葉にしてくれて、うずうずと心が踊りだす。
「目、の前が、チカチカする…ッ」
「ふーん、それだけ?」
「っぁ、お腹、くるし…ぃ」
きゅん、きゅん、とナカが疼いている。
これは、たぶん近いな…と思いながらも、あせらずに手をやんわりと動かし続けた。
「苦しい?」
「は、ぅ、んンッ…せ、つない、のぉ…っ」
「…蛍、いっこ教えてやろうか」
「んぅ、ッ、え…?」
「それ、何て言うか」
動かす手は止めずに空いている手で、熱くて荒い呼吸を繰り返す蛍の頬を包みこむ。
眉を寄せ、涙をこめかみへと流す蛍に覆い被さって、唇同士がくっつきそうな距離で…低く、呟いた。
「イく、ッつーんだよ」
「ぇ、ッあ、ひぁ!? 〜〜〜っ!!」
グリッ、とナカの最奥を一番長い中指で抉るように突いた瞬間、蛍の腰と背中が同時に仰け反った。
三本の指がナカで締め付けられ、まるで吸い付くようにきゅんきゅんと収縮を繰り返している。
「はぁ、はぁ、ッ?…ん、ぇ…?」
「今のが、イくってやつな」
「っ、い、…いく?」
「そ。絶頂」
「ぜっちょー…?」
浅い呼吸をしながらも、キョトンとした顔でオレの言葉を反復する蛍。
初めてでイカすことができたのが嬉しくて、思わず笑みが零れてしまう。
オレの目を見つめながら、よく働かないだろう頭で必死に考えようとしている蛍に、触れるだけのキスをした。
「てことで…本番いくか、蛍」
もう、我慢はできねぇ。