第7章 あげるから、もらって《松野千冬》●
ゆっくり、痛くないように、蛍の緊張を和らげながら指を奥へと進めれば、最奥まで入っていた二本の指と並んだ。
「…ん、三本目」
「んぇ…入ってる…?」
「おう。ほら、」
「ッあ、だめ、や…んんっ」
三本の指先を少しだけバラつかせれば、奥の方でぐぢゅ、と音が鳴った。
蛍の声を聞く限り、快感は拾えているらしいけど…三本目ともなると、かなりキツイ。
でも、ちゃんと濡れてる。
処女は濡れにくい、と聞いたことがあったから、今日はローション持ってきてないしどうすっかな…なんて考えていたけど、心配はなさそうだ。
グズグズに濡れて、蕩けるように熱い蛍のナカ。
ここに、オレ自身を挿れるのか…?
すぐイキそうで怖ぇな。
「痛くねぇ?」
「へ、き…」
「…動かすぞ?」
「ん、ぅ…っ」
バラバラ、指先から徐々に指の全体を動かして。
くちゅ、ぐち、と部屋に響く水音が、オレの腰にも響く。
時々、手首をゆっくり捻り回して、前後に動かしてみたりもして。
反応を見ながらキスをして、空いている手で胸を揉んで、乳首を吸って、舐めて転がして…
頭を撫でてやれば、嬉しそうに擦り寄ってくる蛍。
ぴく、と動く腰が。
オレを愛おしそうに見つめる、潤んだ瞳が。
痛みよりも、微かにでも拾ってくれている快感で歪む顔が。
ぜんぶ、可愛くて。
全部、愛おしい。
あーそういえば、と。
ココいじってなかったなぁ、なんて。
「ん、ふ…ッあ、!?」
「…やっぱ女ってここ好きなんだ?」
「え、なに、ッや待ってちふ、ぁ」
膣口の上にある、小さな突起。
ネットや友人から聞いた情報をもとに、そこへぴと、と親指を当ててわずかに押してみたら…腰が跳ねるし、蛍の声色も違う。
情報は嘘じゃなかったらしい。
「ゃ、や、あぁッ」
「蛍、」
「んんッぅ、は、そこ、ッ」
「ここ、クリトリスっていうらしーぜ」
「っく、り…?」
「栗じゃねぇぞ?クリトリス」
「ん、ぁ、」
「なぁ、気持ちいいかよ」
聞かなくても、蛍の反応でわかりきってるけど…聞いてしまうのが、オレの性分というやつで。
でも今の蛍には、喘ぐだけで答える余裕が無さそうだ。
ゾク、と鳥肌がたち、思わず唾を飲みこむ。