第1章 revenge1
お子様セットを食べ終わったら、私の膝に頭を乗せて寝始めた。
手が内腿に当たってて、擽ったくて、変な気分になる。
私が絶対、今の貴方を守るからね。
貴方の苦しみは私のだから・・・。
「あー!!もうやってらんねー!!うっせぇんだよマイキー!!」
びっくりしたっ!!
いやまぁ・・・確かにいびきと寝言が酷いけど・・・。
しかも、私の太腿によだれ垂らしてるし・・・。
「ふふっ、可愛い。」
彼の髪を撫でながら、キレイな横顔を見つめた。
「食ったらすぐ寝るの、いい加減直せよ!」
「うーんムニャムニャ、もう食べられないよー。」
これもいつものことか・・・。
いろんな彼を知る度、愛しさが増す。
もう絶対に離れられない。
私はこの人と生きて、一緒に死ぬ。
「ったく、仕様がなねぇな。」
ドラケンさんは彼を背負って、店をあとにする。
「あ、待って!」
速いなぁ。
次はどこに行くのだろう。
とりあえず、後をついていく。
「マイキーさん、私が絶対、救ってみせるから・・・。」
眠っている彼の顔を見つめて、そう呟く。
「マイキー着いたぞ。」
「ん?」
ドラケンさんが向く方向に目をやると、大きな病院がある。
どうして、病院?
「病院?」
「おう。」
マイキーさんは欠伸をしながら、ドラケンさんに聞いた。
「こんなとこに、なんの用なん?」
「・・・ちょっとな。」
ドラケンさんに連れられて、ある病室に辿り着いた。
たくさんの管に繋がれ、顔には無数の痛々しい傷がある女性がベッドに横たわっている。
酷過ぎる・・・女の子の顔に、あんな傷。
「誰?」
「パーの親友の彼女だ。」
っ!?
こんなに、酷いの・・・っ!?
ありえない・・・こんなの許せるはずない。
パーさんが黙ってられるはずない。
私だって、ここまでされたら・・・。
「頭7針縫って、歯ぁ折れて、左目網膜剥離、身体中打撲で肋骨折れて、5日間意識戻んねぇって。」
どうしてそんなに酷いことが出来るの・・・。
ダメだ、堪えらんない・・・涙が出てくる。
「愛美愛主にやられてこの仕打ちだ。路上に倒れてたのを通行人が見て、通報したんだ。」
マイキーさんの服の裾をぎゅっと握って、背中に頭を預けた。