第1章 revenge1
結局この格好で外に出てしまった。
「星那ちゃん、それでよかったのか?」
「んーまぁ・・・仕様がないよ、あんなこと言われたら・・・。」
ドラケンさんが私たちを優しい顔で見守ってくれる。
そういえば、内部抗争でドラケンさんが殺されるって・・・。
この2人が争うはずない。
だってこんなに仲良いんだから。
誰かが仕組んだんだ。
誰かがわかれば、止められる。
でも誰だか検討もつかない。
マイキーさんはまだ稀咲に会っていない。
「そういえばさっき、タケミっちに付き人になりたいって言われた。」
「えっ!?・・・で、どうしたの?」
「断るに決まってんだろ。」
そうか、タケミチくんは、ドラケンさんの傍にいて、守ろうとしたんだ。
そんなことを話していたら、ファミレスについた。
「星那、何にすんのー?」
「んー・・・これにする!」
メロンソーダを指さした。
あまりお腹空いてないし・・・。
「なんか食わねぇの?」
「まだそんなお腹空いてないの。」
「じゃあ、オレのお子様セット分けたげる!」
彼は何故か、お子様セットを頼んでる。
ドラケンさんがいつものことだと、教えてくれた。
「なんだよこれ!!?」
お子様セットが出てきた瞬間、マイキーさんが声を荒らげた。
えっ、なに!?
「もう一生許さねぇ。」
「あ?」
ちょっと待って、何かあったっけ?
マイキーさんが怒る理由を必死に探したが、全然わからなかった。
「旗が立ってねぇじゃん!!」
とお子様セットを指さしてむすっとする。
「オレはお子様セットの旗にテンション上がるの!」
「す・・・すいません。すぐ付けてきます。」
「もう要らねー。」
そんなことで・・・そんなことで駄々こねていいのは、小さな子どもだけでしょ!
店員さんを困らせる彼を叱ろうと、立ち上がろうとした。
「ほら、マイキー、旗だぞ。」
ドラケンさんがそう言って、旗をぐさっと刺した。
さすがだ・・・。
「わー!!さすがケンチン!!」
パァと明るくなる彼。
こんなに子供っぽいとこあるんだな・・・。
そんな彼を見て微笑んだ。