• テキストサイズ

腐った人生をもう一度【東リべ:マイキー】裏

第1章 revenge1


風が気持ちいい。


「ちょっ星那っ!!」


「っ!?」


目の前にマイキーさんがいて、彼の腰に回した私の腕を掴まれた。


「危ねぇからちゃんと掴まってろ!」


「はひっ・・・!!」


過去に戻った私は、マイキーさんのバイクの後ろに乗っていた。


てゆうかもう、近すぎるっ!

めっちゃ密着してるっ!


ドキドキが止まらない。

彼の背中にくっついた胸から、心臓の音が彼に響いてしまいそう。


「星那のおっぱい、柔らかい。」


「なっ!そんなこと今言わないでくださいっ!!」


彼が変なことを言うから、離れてしまいそうになった。

離れたら、死ぬ・・・っ!


「どこ行くんですか?」


「えーさっきも言ったじゃん、聞いてなかったの?」


そんなこと言われても、今の私はついさっき来たばっかりだから全然わからない。


「ねぇねぇ、星那ってオレに会ったことない?」


「え?今、会ってますよね?」


どういうことだろうか。

今、会っているし、前にも1回会っている。


「そうじゃなくて、ガキん時!」


もしかして、覚えてるの?

たった1回だけ会ったことを。

貴方が私を助けてくれた、あの日のことを。


「ちょうど今のオレたちくらいの歳の不良たちに、ガキが楯突いて殴られてて、オレと兄貴で不良たちをボコったやつ!あのガキ、オマエだよな?」


どうしよう、嬉し過ぎて泣いちゃいそう・・・。

覚えててくれた。


ゴミをポイ捨てした中学生を注意したら、殴られて蹴られて・・・怖くて何も出来ずに泣いていた私を、通りすがりの人たちは見て見ぬフリだった。

だけど、マイキーさんとお兄さんだけは私を助けてくれた。

泣き止むまでずっと一緒にいてくれた。


あの日私は、マイキーさんを好きになったんだ。


「マイキーさん、私、貴方が好きです。」


「え?なんも聞こえんかった。もっかい言って!」


「なんでもないです!」


気付かずに口に出してしまっていたけど、幸いにもその声は彼の耳に届いておらず、安心した。


「そういえばさ、前に敬語なしって言ったよな?」


「あ、すみません!」


「それも敬語だわ!」


あ・・・。


2人の笑い声が夜の街に響いた。



/ 297ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp