第3章 revenge2.5
一虎さんに会った帰り道、ドラケンさんはマイキーさんからタケミチくんにも伝言を預かってると言った。
「次の集会はオマエに大事な話があるから、絶対ぇ顔出せってよ。」
タケミチくんに大事な話?なんだろう。
「そういえば星那ちゃんにも、会えるんなら会いに来て欲しい、だとよ。」
それって体調とかそういうのじゃなくて、たぶん・・・傷付けた自分に会えるなら、会いに来て欲しいってことだろうな・・・。
「2人はこれからどこに行くの?」
「んあ?オレん家。」
「え、行きたい!」
「星那ちゃんはムリだ。」
酷い、贔屓だ。
いろいろ事情があんだよと言われて、なにも言えなくなってしまった。
とりあえず暇だったので、1人で渋谷をブラブラすることにした。
雑貨屋さんを見付けて、なんとなく入ってみる。
さらーっと目を流して見ていると、1つのブレスレットに目がいった。
真っ赤な宝石がたくさん埋め込まれた、細めのブレスレットだった。
「マイキーさんに似合いそう・・・。」
赤好きだって言ってたし。
それを手に取ってレジに行く。
紙袋に入ったそれを手にぶら下げて、店から出た。
あれ、タケミチくんだ、ドラケンさんの家に行ったんじゃなかったのかな?
「タケミチくーん!!」
手を振りながら駆け寄ると、人差し指を口の前に立てた、静かにしろというポーズを取られた。
なんだろうと思い近付いて、彼の目線の先を見る。
「マイキーさんとエマちゃん?」
タケミチくんは慌てて、違うんだ、何かの間違いだって、2人が浮気するはずないと言い出す。
もしかして、2人が付き合ってるって勘違いしてるのかな?
面白いから本当のことを言わないで置こう。
「マイキーさんのバカ・・・2週間会わなかったからって・・・なんでエマちゃんなの・・・?私があの時、殴ったから?」
我ながら、最高の演技だと思う。
あわわっと余計慌て出すタケミチくん。
「これは事件の匂いがしますね、ワトソンくん!」
ヒナと直人くんも合流してしまった。
まぁいいや、面白そうだからこの2人も騙そうかな。
でも、ヒナは知ってると思うんだけどな、マイキーさんとエマちゃんが兄妹だって。