第2章 revenge2
マイキーさんは私に歩み寄る。
「ごめん・・・立てるか?」
すごく申し訳なさそうな顔をして、手を差し出してくる。
「立てない。」
むすっとして彼を睨んだ。
使い続けた手足は痛いし、体力も残ってないし、たくさん殴られたから頭がフラフラする。
彼は泣きそうな顔をして笑い、私を抱き上げた。
「ありがとう、星那・・・そして、本当にごめん。」
「一虎さんを殺さなかったから、許す!!」
未だに流れる涙を無視して、ニカッと笑った。
彼は私を抱えたまま、走り出した。
2005年10月31日、この日の抗争は東卍の勝利となったが、死者1名、逮捕者1名を出し、悲惨な結果になった。
この日の抗争は、血のハロウィンと呼ばれるようになった。
場地さんを・・・救えなかった。
2週間後、やっと出歩けるようになった私は、千冬と一緒にお墓に来ていた。
身体が鈍ってしまっていて、回復するまで2週間もかかってしまった。
場地さんのお墓にお線香をあげ、手を合わせる。
そしてすぐに私は、その場を離れた。
2人っきりで話したいだろうしね。
その足で、タケミチくんとドラケンさんに会いに行く。
一虎さんがいる、少年鑑別所に来て、彼に会いに行く。
「懲役10年は覚悟しろって言われたよ。短いくらいだよな・・・もう逃げねぇ、向き合わないといけない、あいつがそう教えてくれた・・・だから、今度こそちゃんと更生するつもりだ。」
何か変だ・・・一虎さんの様子がおかしい。
「死ぬなよ、一虎。」
ドラケンさんのその言葉に、彼は驚いて顔をあげた。
「てめぇの考えてることなんて、わかってんだよ。自殺して詫びようなんて、許さねぇかんな!?」
彼はどうしたらいいかわからないと、俯く。
「マイキーからの伝言だ。」
ドラケンさんは突然、そう言い出した。
あれから私は彼に会えていない、どんな決断をしたの?
「これからもオマエは、東卍の一員だ。オマエを許す。」
一虎さんは、その言葉を聞いて、涙を溢れ出した。
ダメだ、私も泣いちゃう・・・。
彼は場地さんの命をムダにしなかった・・・。
ただただ、そのことが嬉しかった。