第2章 解放
別荘に連れられて2日がたった―
そういえばこの部屋には時計がない
それに私のスマホはどこいったんだろ
時間の感覚が全くわからない
「起きた?お昼食べたら眠くなっちゃたんだね?」
神崎くんが部屋に入ってきて、喉乾いたでしょ?と言って紅茶を持ってきてくれた
私は紅茶を一口飲んでスマホのことを聞く
「あぁ…スマホね。今は渡せない」
「どういうこと…?」
「今は見ない方がいいってこと。ごめんね、たまたま見えちゃってさ…須藤からのメッセージ」
「……」
「今はそんなの見て嫌な思いして欲しくなくて…だから渡せない」
なんとなく想像はつく
夏休みの間もどこかに呼び出されて行かなかったら夏休み明けの学校でまたボコボコにされる
神崎くんは夏休みまで茉莉花に嫌がらせされて嫌な思いをして欲しくないと言ってくれた
「ありがとう…ごめん…なんか…まだ眠いみたい …」
「ん?まだ眠い?いいよ。今まで不安で寝れなかったんでしょ?今は好きなだけ寝ていいよ…」
次第に神崎君の声は聞こえなくなって私はまた眠りについてしまった