第2章 解放
「こんな苦しい思いしてるんだから夏休みぐらいは楽になりたいでしょ?」
神崎くんが笑顔で話すと志麻くんはニヤリと微笑み
「だから俺らとここで楽しいことしよ?な?」
「でも…」
「拒否んの?せっかく俺ら友達になれたのになぁー?」
「…友達?」
「そう。俺と聡はもうお前と友達だろ?」
志麻くんは遠慮すんなよと私の方に腕を回し、ベッドへ座る
「宗、宮野ちゃん困ってるよ」
「え?嫌だった?俺と友達なの」
「…そうじゃなくて…私なんかが…」
「俺らと仲良くしよ?夏休み終わってからもずっと」
神崎くんは優しく微笑み私に言う
「…うん……ありがとう…」
助けてくれた2人だから否定なんて出来なかった
このことを茉莉花が知ったらなんて思うだろうか
「そんじゃ飯食おうぜ」
「宮野ちゃんご飯食べない?」
「…うん」
私は小さく頷き2人は部屋で待つように言った
しばらくすると戻ってきた2人は食事を用意してくれた
「一緒に食べよ。どう?食べやすいようにうどんにしてみたよ」
神崎くんは私の分をよそってどうぞと渡してくれた
ひと口食べた瞬間なぜか涙がこぼれた
安心したのか凄く温かさを感じて止まらなかった
2人は驚いた顔をして心配そうに私を見つめ、背中をさすってくれたりした
「大丈夫?…なんか嫌なこと思い出させちゃった?」
「違うの…なんか、嬉しくて……」
「聡、そっとしといてやれよ。宮野もゆっくりでいいからしっかり食えよ」