第2章 解放
視界がぼやっとして目を擦ると、ベッドの上にいた
「やばっ…寝ちゃった…」
体を起こし辺りを見回すと知らない部屋にいることに気づく
保健室にいたはずなのにここはどこだろう
学校の中でもない
ベッドから降り扉に向かうも施錠されていて開けることは出来ないことが分かった
「っ…誰か…開けて…!」
扉を叩いて必死に叫ぶも誰かがいる気配がない
けれど何度も叫び扉を開けてもらうように叫んだ
しばらく続けたけれど時期に手がジンと痛み、私は扉の前でへたりこんでしまった
もしかしたらまた何かのイタズラなのではないかと悪い方にしか考えられなかった
「…神崎くん…助けて…」
小さく口から神崎くんの名前が零れる
本当は助けてもらってはいけないのに…
すると扉の鍵が開く音が聞こえた
「っ…!」
扉の外からは神崎くんが見えその瞬間とても安心した
助けに来てくれたのだと
ニコッと笑う神崎くんに安心した私は自然と身体が動き抱きついてしまう
「よく眠ってたね。どう?この部屋素敵でしょ?」
「…え?」
「部屋に閉じこめられて怖かった?ごめんね。」
そう答える神崎くんに私は咄嗟に距離を取ってしまった
どうしてそんなことを言うのか分からなかった
「ここがどこか分からないよね。ここはね俺の家の別荘」
「お、起きた?いいだろ聡のとこの別荘。俺らガキの時からここで毎年遊んでんだよ」
志麻くんも部屋に入ってきて話し出した
「別荘……?」
「そう。今日から君は俺らとこの別荘で過ごす」
「まって…そんな突然」
「いいじゃん。聡が君連れていきたいって行ったんだからさー」
志麻くんにそう言われたけど全く理解が追いつかなかった