第3章 願望
「かえではあんたのこと信じて行動した…裏切ったのはどっち?自殺まで追い込んで今も同じことして、どれだけ人を追い込めば気が済むの」
かえでも茉莉花と仲良くなって神崎くんを引っつけようとしてた
なのに誤解されていじめられるようになった
私と同じように
「っ…うるさい…黙れ…黙れ!」
茉莉花は聞いたこともないような声で叫ぶと私を押し倒し泣き崩れた
「なんで泣けるの?いじめてたあんたがどうして泣いてるの?1番泣きたいのはかえでなんだよ。なのに我慢して私にまで気遣って…本当に最低だよね茉莉花って。」
「…っ」
私は泣き崩れた茉莉花の耳元で囁いた
「私ね、神崎くんと付き合ってるの」
「…っ!」
「散々人を裏切って来たんだからそのくらい比にならないでしょ。神崎くんにあんたが私の親友を自殺まで追いやったこと言ったらなんて思うかな…」
「てめぇ…ふざけんなよ…!」
俯いていた茉莉花は私を睨みつけると、胸ぐら掴んで壁へ追いやる
「ふ…もう終わりだね茉莉花…」
茉莉花の後ろには声を聞いて駆けつけてきた神崎くんと志麻くんがいた
「何してんだよ!」
「っ……!」
神崎くんが止めに入ると茉莉花は唖然として立ち尽くしていた
そして我に返ると
「違う…違うの!私…私は……」
「おい須藤。聡や俺の大事な人を傷つけたらどうなるか分かってんだろうな」
志麻くんは怒りがこもった声で茉莉花に追い打ちをかける
「っ!…違うの…ごめんなさい……」
「うん。最初から彼女にその言葉が言えてたら考えたかもしれないね…まぁ消えてもらうには変わりないけどもう遅いよ。…お前のとこの会社も潰す」