オマエしか要らないから【東リベ/オメガバース/R18】
第1章 オマエしか見てないから
「テメェら・・・いい加減にしろよなァ!」
ドラケンは苛立ち、声を荒らげたが
周りは気にせず教室は笑い声が響いていた。
「あ?オマエら、何笑ってんだ」
ワントーン低い威嚇にも似たマイキーの声に
今まで笑い転げていた連中は青ざめ静まり返った。
「Ωとか、αとか
んなモン関係ねぇだろ。下らねー」
マイキーは名前の手を引き教室を出た
続いて「じゃーなー、ゴミ共」とドラケンもその場を後にした。
マイキーに握られた右手首はそのままに
相変わらず手を引かれそのまま後ろを歩く。
「名前無理矢理ゴメンな。
でも、ほっとくわけねーだろ」
振り返らず、彼は言い放った。
そしてくるりと振り返えり、手首を握る力を抑えたかと思えば満面の笑みで「オマエ今日からオレのダチなっ」と衝撃的な事をまたさらりと言いのけたのだった。
先程までの苛立った様子からは伺い知れない程ご機嫌の彼。
ぽかんとした名前を傍目に
(ゴメン、ケンチン。またやっちった)
(いいんじゃねーのー。オレも正直イラついたし)
(・・・・・・あ。タケミッち忘れた)
(ぷは、ウケる)
と2人の会話が続いていた。
嵐が過ぎ去った後の教室では、何事もなかったように授業が再開されていた。
(エッッッッ・・・俺、もしかして忘れられてるぅ〜!?)
武道は心の中で叫んだ。