オマエしか要らないから【東リベ/オメガバース/R18】
第1章 オマエしか見てないから
驚きの余り声が出ず俯いたままの名前を
隣の男子が笑いながら語った。
「マイキーさん無駄っすよ、コイツΩだし!!」
「あン?うるせぇ、黙ってろ」
ドラケンと呼ばれた人が隣の席の男子を睨みつけ、黙らせた。
教室中が静まり返る中
マイキーと呼ばれた人は再び名前に語りかけた。
「オマエ、名前は?」
「・・・苗字・・・名前・・・」
「名前かー・・・うーん・・・」
マイキーは首を傾げ何か考えている。
その後何か閃いたのか微笑んだ。
名前の顔を見るべく、マイキーは覗き込んだ。
「さっきから何泣いてんの」
マイキーのその一言でまたクラス中がクスクスと名前を嘲り始めた。
(なんて、酷い人なんだろう・・・)
(触れられたくなかったのに、放っておいてほしかったのに)
名前はマイキーの優しい声色につい返答してしまった事を後悔した。
「っ・・・たしが・・・Ωで・・・わたしが悪い、ので・・・。」
皆は関係ない、と今にも掻き消されそうなか細い声で答え必死に身を守る。
名前の返答に花垣武道を除くクラスメイト全員がどわっと笑い転げた