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オマエしか要らないから【東リベ/オメガバース/R18】

第3章 オマエしか起こせないから


佐野万次郎は低血圧である。

「マイキー起きてー!」
妹に起こされ連られながらリビングの扉を開けると
ジュージューとベーコンが焼ける音と香ばしい匂いが部屋の中に立ち篭める。

「万次郎おはよう」
「ん···じいちゃん、おはよぅ」

老眼鏡をかけた祖父は万次郎に挨拶を終えるとまた読みかけていた新聞紙に目線を戻した。
朝の日課を楽しむ祖父を見やり安心する。

(今日も元気そうだな)

ふわぁと大きな欠伸をしてのそのそと妹と祖父が待つ食卓に並ぶ。
朝飯メニューは妹特製のベーコンエッグだ。
食欲を唆る匂いに一瞬目が覚めるも、またもうとうとしながら口いっぱいに頬張る。

うん、美味い。
「エマぁ···目玉焼きは裏返して潰せっていってんじゃん」
「うるさい、自分でやりな」

妹に文句を言うも正論で返され大人しく食べ続ける。
朝起きるのは嫌いだけど何気ない朝のこの時間が割と気に入っている。


「マイキー来たぞおぉー!中入っとくなー!」
外から大声でケンチンが叫んでる。

「おー!まっててー!」
その場からケンチンに届くように大声で返事をし、急いでご飯をかき込む。
エマもケンチンが到着したと知ってか頬をそめ身だしなみをせっせと整えているようだ。

そんな恋心に悶える妹を薄目で見ながら

(こいつら何だかんだ両想いなんだよな)

とかぼーっとしながら考えてたら少し食べるのが遅れてエマにどやされた。
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