第1章 PRAY 1
あぁ、なんだ。
まだいたんだ。
逃げろって言ったのに。
私は攘夷浪士たちの血で汚れた刀を
ぴっぴっと払ってから刀を鞘に閉まった。
真選組の男はまだ信じられないと言った風に私を見つめていた。
なに。
そんなに女が男どもをやっつけるのが珍しい?
女でもねぇ、
やる時はやるんだよ。
銀時もやる時はやる男だし。
「お前…何者だ」
真選組の男はやっとのことでその言葉を発した。
『えっとー…』
この場合なんて答えるべき?
『…ただの通行人だけど』
「ただの通行人って、そりゃねぇだろうが‼︎」
真選組の男は突っ込みをいれてきた。